発達障害、PTSD、パーソナリティー障害と神経伝達物質の関連性

PTSD、トラウマ

神経伝達物質の働き

ドーパミン チロシンから生成される(※経緯省略)アドレナリンの前駆物質。快の感情や快楽を認知するための神経活性化物質。
自閉症スペクトラムでは、ドーパミンの機能亢進がみられる。
ドーパミン値が上昇すると、意欲がわき、快楽を感じる。※同時に癇癪や攻撃的性質も亢進されるので、そのような問題を抱えている場合は注意!
逆に低下すると、快楽を感じられず、気力低下。痛みに対する閾値も下がる。
※チロシンは非必須アミノ酸のひとつ。
摂取できるサプリ、食べ物 ドーパミンを直接経口摂取しても脳へ届かない。
なので、ドーパミンの前駆物質で(元となる物質)あるチロシンやレボドパ(L-dopa)を摂取すると良い。チロシンやレボドバは体内吸収できる。
チロシンを多く含む食品は、豚肉・鶏肉・鮭・たらこ・しらす・まぐろ・鰹・えび・チーズ・アボカド・たけのこ・キャベツ・ごぼう・しめじ・バナナ・りんご。
効率よく吸収するには、ビタミンB6・葉酸・ナイアシンなどを同時に摂取すると良い。
レボドバ含有食品は、ムクナ豆。レボドバには、ドーパミンの前駆物質であるチロシン、レボドバ、フェルアラニンが多く含まれる。ただし、レボドバがドーパミンとなって脳に作用するのは摂取量のわずか1-3%といわれ、B6を同時摂取するとさらに少なくなる。
その他の活性方法 運動、特に一定時間のジョギング(ランナーズハイを感じられるのまでが理想)。カラオケ。わくわくするようなことや好きなことをして達成感を得る。アイデアを閃く。笑う。目標を立て、ゴール設定をする。報酬(食事やセックスなど)を得る。
ただし報酬については、ギャンブルやゲームなど依存性の高いものは要注意!(PTSD、パーソナリティー障害、発達障害の人は依存しやすいので、依存性の嗜好には手を出さない方が良い。
拮抗する神経伝達物質 アセチルコリン
セロトニン セロトニンは、必須アミノ酸であるトリプトファンの代謝過程で生成される。(※経緯省略)ノルアドレナリンによる恐れや不安などの情報をコントロールし、精神を安定させる作用がある。自律神経や精神状態の安定、気分緩和、満足感、睡眠(特に入眠)の調節に重要な働きをもつことから「幸せホルモン」と呼ばれる。ストレスによって減少。
PET(ポジトロン断層撮影装置)によって、自閉症スペクトラム(ASD)では、セロトニン系の機能低下が認められることが明らかになっている。
セロトニン値が上昇すると、体温上昇、発汗、血圧上昇、心拍数の増加、吐き気、興奮が起こり、過剰になると振戦、混乱や錯乱、昏睡、頭痛が生じる。
セロトニンが低下すると、感情の制御が困難になり、イライラしたり、依存症に陥ったり、不眠といった症状が出現。うつ病になりやすい。
摂取できるサプリ、食べ物 セロトニンを直接経口摂取してもほとんど脳へ届かない。
なので、セロトニンの前駆物質であるトリプトファンを摂取すると良い。
特にPTSD、うつ状態、アルツハイマー病、統合失調症、慢性疼痛、依存症、月経前後の女性、がん、てんかん、パーキンソン病の患者や障害者にはトリプトファンを多く含む食事が重要である。
トリプトファンを多く含む食品は、豚(ロース)・鶏肉(胸肉)・鮭・鰹・豆腐・納豆・味噌・しょうゆなどの大豆製品、チーズ・牛乳・ヨーグルトなどの乳製品、ごま・ピーナッツ・卵・バナナ、穀類。
動物性たんぱく質に含まれるBCAAというアミノ酸は、トリプトファンを脳への取り込みを阻害するので、植物性たんぱく質から摂る方がよい。
動物性たんぱく質も炭水化物、ビタミンB6と同時摂取すると、トリプトファンの吸収・合成が促進される。
そのほかにハーブやサプリでは「セントジョーンズワート」が、セロトニンに作用し、抑うつによい食品として知られている。
※トリプトファンは必須アミノ酸のひとつ。
その他の活性方法 病院では、セロトニンを増強させるために、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が処方されるが、セロトニン症候群、神経症状など過剰摂取による副作用も問題も軽くないため、服薬は医師と相談しながら調節し、自己調整は避ける。
ウォーキング・ジョギング・スクワット・サイクリングなどの運動。呼吸法の習得。1日30分ほどの日光浴(UVカットはしても問題ない)。スキンシップ。グルーミング(ペットとの触れ合い)。マッサージ。
拮抗する神経伝達物質 ドーパミン
GABA(ギャバ) Gamma aminobutyric Acidの略。別名γ(ガンマ)-アミノ酪酸。主に海馬、大脳基底核、小脳、脊髄などに存在する神経伝達物質。不安やストレスの軽減に働く。また睡眠や生殖機能、ASDへの関与も示唆されている。GABAは現代のストレス社会においては大量に必要とされており、精神障害がある人には不足気味になっている。
GABA値が上昇すると、鎮静、精神安定、抗けいれんに作用し、不安やストレスが軽減されリラックスする。血圧を下げる作用もあることから、降圧剤服用中や低血圧の人や過剰摂取に注意する必要がある。
GABA値が低下すると、興奮系神経伝達の過剰分泌されるのを抑制できず、精神が緊張状態になり、過興奮や依存症に陥りやすくなる。
摂取できるサプリ、食べ物 GABAを直接経口摂取してもほとんど脳へ届かない。
なので、GABAの前駆物質であるグルタミン酸を摂取すると良い。また、腸内でもGABAを産生する菌があることから、腸の活動を活性化するものの摂取を心がける。
GABAはサプリメントとしても発売しているが、これは主に血圧低下を期待する人のためのサプリである。
GABAの活性化に役立つ食品は、発芽玄米、小麦、鰹節、きな粉、枝豆、トマト、なす、みかん、バナナ、ナッツ類(特にくるみ、アーモンド)、ヨーグルト、大豆製品、青魚、鮭、キムチ、卵。
動物性たんぱく質に含まれるBCAAというアミノ酸は、トリプトファンを脳への取り込みを阻害するので、植物性たんぱく質から摂る方がよい。
ビタミンB6、DHA・EPA・α-リノレン酸、アラキドン酸と一緒に摂取すると分泌量が増加する。
アルコール、カフェイン、はGABA産生を阻害するので控える。
そのほかにハーブでは「セントジョーンズワート」「カモミール」が、GABA補助食品として知られている。
その他の活性方法 運動。特にヨガは顕著に効果があるといわれている。筋力トレーニング。腸活。瞑想。
拮抗する神経伝達物質  - 
アセチルコリン 神経の興奮伝達物質。運動機能を制御するほか、副交感神経を刺激。心拍数の減少。唾液の分泌を促進する。睡眠サイクルや覚醒レベルの調節。認知機能(注意力・集中力)、海馬における記憶の形成や強化、感覚過敏にも関与。
アセチルコリン値が上昇すると、自律神経、感覚情報処理回路が活性化する。過剰になると、怒りやすい・キレやすい状態になったり、統合失調症、認知症、パーキンソン病の症状が悪化したりする。
アセチルコリン値が低下すると、自律神経のバランスが崩れ(自律神経失調)、物忘れや痴呆の症状が現れる。抗精神病薬・抗うつ薬の中に含まれることの多い抗コリン剤(アセチルコリンの分泌を抑制する成分)を長期服用すると、認知症やアルツハイマー病(AD)の起因となり得ることが確認されている。
摂取できるサプリ、食べ物 アセチルコリンを直接経口摂取しても脳へ届かない。
なので、アセチルコリンの合成に欠かせないレシチンを摂取することでアセチルコリンの増加を図る。
レシチンを多く含む食品は、大豆製品、卵黄、レバー(特に豚・鶏)、ピーナッツ。
レシチンとともにビタミンCを摂取するとアセチルコリンの合成を促進する。これは、ビタミンCを同時摂取することでレシチンの脂質を破壊せず吸収率が高まるためである。
レシチンにはほかにも、動脈硬化の予防、肝機能亢進、脂質の代謝活性の作用がある。
ネット購入もできる「DMAE」というサプリは、アセチルコリンの前駆物質として「脳サプリ」といわれてるが、薬事関連の承認を受けておらず、成分の安全面や副作用の検証、服用量など一切のエビデンスがないことから、大変危険である。カナダなど海外では保健省が注意喚起しており、日本でも薬事法に抵触する。
その他の活性方法 運動。特にヨガは顕著に効果があるといわれている。筋力トレーニング。腸活。瞑想。
拮抗する神経伝達物質 ドーパミン
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