僕は自覚できない色んな症状がある。
その症状のひとつに天然で人のことを騙してしまう症状がある。
今回の失踪は僕の症状がもろに出て、いろんな人に多大な迷惑をかけてしまった。
まじで自分のことが好きになれない。
失踪する前段階
僕は常に人のことを騙すつもりはない。
だけど、結果として振り返ってみたとき人のことを騙してることに気付く。
本気で思ってることを本気で伝えると周りの人は信じてくれる。
それがう作用してしまい、僕の奥さんの愚痴を言ってるつもりが、だんだんエスカレートしていき極悪な犯罪者のようなことを言ってしまった。
その結果、僕の友達は僕が逃げ出す=失踪に手を貸してくれた。
友だちのお母さんも僕の話を聞いて、信じてくれて、初対面にも関わらず1万円もお金を貸してくれた。
自分の言葉に説得力があるとは一度も思ったことはないけど、WAIS™-IIIテストの結果でも言語能力だけ高い。
奥さんの愚痴を言いたいだけのはずが、失踪の手伝いをさせてしまった。
本心を言えない部分もあったし、本心を言いにくい状況を自分の言葉で作ってしまった。
ここまでの経緯を簡単にまとめた
- 愚痴を言うつもりで友達の家に行く
- 愚痴を言う
- ボイスレコーダーに録音しておいた奥さんが怒ってる声を聴いてもらう
- さらに奥さんの悪口を言う
- 逃げ出したいと伝える
- それだったら手伝うよと言ってくれる
- 友だちのお母さんにも話を聞いてもらう
- 友だちのお母さんから1万円借りる
失踪当日
その日揉め事が起こるまで、また、揉め事の内容は覚えてない。
ただ、奥さんにひどく怒られたのは覚えている。
僕は「逃げ出すなら今しかない!」という心理に陥り、そのまま荷物をまとめ、もらっていたお金を持って家を出た。
普段ならスマホを必ず持っていくが、今回は持っていかなかった。
それは前もって友達と相談してあり、そうしたほうがいいとアドバイスをもらったからだ。
家を出てからはすぐに捕まるんじゃないかとびくびくした気持ちでいた。
電車の駅に向かい、公衆電話から友だちに電話をして、指示をもらい友だちの事務所近くの駅に向かった。
そこで合流して、すぐに大阪方面に車で移動。
車内ではずっとパニック状態で、落ち着いた状態に見えるようにがんばったが、かなり動揺していた。
友だちも励ます言葉をかけてくれたけど、とんでもないことをした気持ちになって怖かった。
失踪後
大阪に着いてからは、今後の話し合いをファミレスでした。
何を話したか細かい内容はほとんど覚えてない。
だけど、すごく心配してくれて、きっとなんとかなるよと励ましてくれたのは覚えている。
ありがたいと思ったし、嬉しかった。
でも、それと同じくらい不安で怖かった。
見つかったらどうしようという不安
これからどうしたらいいんだろうという不安
大きなことをしてしまった恐怖
奥さんに迷惑をかけてしまった罪悪感
色んな感情がこみ上げてきて、さらにパニック状態になった。
友だちは帰ることになり、僕は一人でネットカフェに向い、その後予約してくれたゲストハウスで過ごすことになった。
失踪中の生活
失踪中は奥さんには申し訳ないけど、とても快適に過ごせた。
宿泊客やスタッフはほぼ外人で英語が飛び交う非日常。
日本にいるのに海外旅行に来たような気分になる雰囲気。
こんな状態じゃなかったらとても楽しめたと思う。
特に奥さんは英語が話せるので、きっと楽しかったと思う。
だけど、今はそんな状態じゃない。
ベッドは広いし、気楽に過ごせる雰囲気がとても気に入った。
だけど、パニック状態は変わらない。
過食と喫煙を繰り返し、寝ても寝た気がしない毎日。
精神状態は日を追うごとに悪化していったと思う。
奥さんに連絡する
友だちには奥さんに絶対に連絡しないと言った。
だけど、その2日後くらいには奥さんにチャットワークから連絡した。
寂しくて、怖くて、不安で、頭がどうにかなりそうで連絡した。
奥さんのことを思っての行動じゃなく、自分が楽になるための行動だった。
メッセージにはそのとき思った、僕ら夫婦の問題点を挙げて奥さんが変わってくれないと一緒にいれないよ的な文章を送った。
あと友達に連絡したことがばれてほしくなかったので、誰にも言わないでと書いた。
振り返ってみると本当に卑怯で姑息な手段を取ったと思える。
だけどそのときはそれが正しいと疑いもしなかった。
奥さんからはすぐに返信があり、しばらくやり取りをしたあとにその日は寝た。
とても心配してくれたことがわかったけど、不安な気持ちは少しだけ解消され、その日はよく眠れた。
数日間奥さんとやり取りをする
そのまま奥さんと毎日チャットでやり取りをした。
いつでも連絡を取れると思われたらまずいと思った僕は、コンビニのWi-FiでPCをネットにつないでいると嘘を言った。
時間制限付きで毎日やり取りをした。
余計に心配させることも、ひどい環境にいると思われることも全然考えてなかった。
その結果、奥さんは胃腸炎みたいな状態になり、仕事もまともにできない体調にさせてしまった。
奥さんとやり取りをしつつ、友達が1回来てくれた。
今後の計画を話したり、奥さん対策を練るためだった。
奥さんから友達に連絡がいき、僕が誰にも言わないでといったメッセージが友達のところに送られていた。
そのことを知った僕は、それは奥さんが捏造したものだと言った。
過去に送った文章を引用したり、巧みに作ってると嘘をついた。
友だちはそれを信じてくれたと思う。
それに拍車をかけて、さらに僕も友達も奥さんの悪口を言った。
今思えばそうやって空元気というか虚勢をはっていないとまともに話せない精神状態だったと思う。
僕はその場において友達も奥さんも裏切っていることに気付いていなかった。
今こうして振り返ってみて、裏切り裏切りを重ねていたんだと知った。
奥さんに帰ると伝える
失踪していた期間は1週間ほど。
最終日前日に僕は奥さんに帰ることを伝える。
色んな事情もないのに、さぞ大変な事情があるかのように話し、それを奥さんは信じてくれた。
帰ると決めてからは、少し気持ちが楽になったと同時に大変なことをしてしまったと後悔した。
不安な気持ちは相変わらず消えることはないけど、奥さんに全て話そうと決めたときは少しだけ楽になった。
そして、最終日に今から迎えにきてほしいと伝え、奥さんに迎えにきてもらった。
帰りの車内
奥さんは怒りで震え、涙を流した。
僕はとんでもない心配と迷惑をかけたことに気付いた。
最初は起こった出来事をそのまま話せなかった。
怖かったのもあるし、友達にこれ以上迷惑をかけられないと思ったからだ。
友だちと連絡を取るのもやめて、このままフェードアウトできればと思っていた。
だけど、現実はそうならなかったし、それでよかった。
帰りの車内がどんな感じだったのか覚えてないけど、奥さんは本当のことをしっかり教えてほしかったんだと思う。
何がどうなって、こんなことになったのか、それを翌日から話し始めた。
起こった出来事を奥さんに話す
僕は起こった出来事をありのまま話したつもりだった。
だけど、最初は怖くて、きちんと話せなかったと思う。
だけど、怖くもいいから話しな、あんたがやったことなんだからしゃーない、でも私はあんたを見捨てない!
と言ってくれたことで、徐々に話しだせた。
最初奥さんは怒りに震えてた。
怒りで手が震えるほどだ。
僕はそのときの奥さんが怖かった。本当に怖かった。
だけど、自分のやったことがそれだけ大きなことだったと噛み締めた。
そして全部を話し、奥さんは自分のやったことはきっちりけじめをつけなさいと言い、僕は翌日友達と話すことにした。
友だちに全てを話す
友だちは最初、僕の失踪に関与してないていで話していた。
だけどチャットから通話に切り替えたら、全てを認めてくれた。
そのうえで奥さんに謝罪して、僕にも悪かったと言ってくれた。
そのときの心境は言葉では表現できないくらい複雑だった。
感謝、罪悪感、暗い気持ち、責任、現実逃避…
なんて言葉にしたらいいかわからないけど、もう二度と味わいたくない気持ちなのは間違いない。
今こうして書いていて、当日のことを振り返るだけで、とても暗い気持ちになる。
もう二度と友達と楽しく笑いあうことはないなと思ったし、奥さん以外の誰とも関わりたくない気持ちになった。
誰にも迷惑かけたくないし、振り回したくないからだ。
自分の言葉には力があるってことをとても認識した出来事だった。
そしてその力を適切に使えないってことも自覚した。
捜索願いを取り下げるために警察署へ行く
そして今日。友だちと一緒に警察に行った。
警察署へ行く前に友達と奥さんだけで話し合いをした。
そのとき僕は家で精神疾患系の本を読んでいた。
自分の病識を深め、こんなことが二度と起こらないようにするためだ。
奥さんが来ていいよと声が掛かったので、僕もそこに合流。
そこで少しだけ話し合いが行われた。
僕は巻き込んでしまった友達、奥さんに対して本当に申し訳ないと言った。
その場において一番悪いのは自分であり、友達は良かれと思って助けてくれただけなのに、裏切ってその場にいる。
だけど、友達は今後は僕がそういう性質があるってわかったうえで接していくから、今後も友達でいたいと言ってくれた。
奥さんもありがたいと言ってたけど、僕は正直わからなかった。
なんでこんな迷惑をかけてしまったのに、まだ友達でいたいと思ってくれるのか。
僕は友達に聞いた。
友だちは「俺もわからん」って言ってた。
人間関係ってそんなもんで理由なんていらないのかなぁって思った。
僕は今すぐは友達と遊ぶような気持ちにはなれないけど、また笑いあえる日がくればいいなと思ってる。
そして警察署へ行き、捜索願を取り下げ、刑事さんに今回の経緯とどこにいたのか説明した。
僕だけじゃなく、友達も説明してくれた。
そして、以上を持って今回の失踪事件は解決した。
失踪期間中は、仕事は一切していない。
仕事がしたいと思ったし、勉強がしたいと思った。
↑が好きなようにできる環境はありがたい。
奥さんの覚悟を重さを見た。
うちの奥さんの覚悟は半端じゃないってことが身に染みた。
何を持ってしてでも、僕を良い方向に持っていこうと思ってくれている。
僕は帰ってきてからも奥さんに反発してしまったけれど、奥さんは通常運転でだめなものはだめ、良いものは良いという信念を貫いている。
僕もそれを見習って奥さんと同じ人間にはなれなくても、奥さんと同じ方向を向いて仲良く歩いていこうと決めた。
友だちといつか笑いあえるようになるため、僕は明日からも奥さんと仲良くいられるように最大限の努力をしていく。
友だちにも言われた。
「奥さんとの関係をちゃんとしてほしい」と。
だから友達に心配をかけずに、今回かけた迷惑に報いるためにも奥さんとちゃんと仲良く、楽しく暮らしていこうと決めた。
そのために必要なことはなんでも実践していく。
奥さんのアドバイスに耳を貸し、自分の気持ちや意思は常に疑う。
そうやって自分の症状とちゃんと向き合って、改善していく。
ちょっとずつで良いから良くなっていこう。