近年、オキシトシンと発達障害の関係が指摘されている。
オキシトシンは、脳下垂体後葉ホルモン。乳汁分泌や子宮収縮作用(子宮平滑筋収縮作用)をもつホルモンであるが、不安、共感力、社会性にも関与していることが明らかになっている。
精神への働きとしては、扁桃体をはじめとする社会脳領域を介して、社会性行動、特に信頼を基礎とするあらゆる人間相互活動に関与する。
自閉症スペクトラム障害において、オキシトシンの血中濃度が低いことも示唆されている。
オキシトシンを点鼻薬として自閉症者に連続投与したところ、自閉症による障害のうち、特に対人コミュニケーション(相手の目を見るなど)や社会生活の困難さなど社会性障害の改善がみられることが確認されている。
ただし、有効性や安全性の確実なエビデンスについてはまだ臨床試験段階であり、日本では経鼻オキシトシンスプレーの使用は認可されていない。(日本で承認されているのは、分泌誘発時の点滴静注のみである。)
参照:
https://www.fpa.or.jp/johocenter/yakuji-main/_1635.html?mode=0&classId=0&blockId=39670&dbMode=article&searchTitle=&searchClassId=-1&searchAbstract=&searchSelectKeyword=&searchKeyword=&searchMainText=
https://www.amed.go.jp/news/release_20160823-01.html